EIAJ(国際アロマテラピー学術協会)はヨーロッパでのアロマテラピーの第一人者であるピエール・フランコム先生の学問、知識、技術を中心とする科学的な次世代に向けた真のアロマテラピーを日本で教育・研究し更に発展して普及させるための全国的な非営利団体です。
植物の分類学上、最大の科はなにか知っていますか?…クイズ番組のように正解を焦らしたいのも山々ですが、答えはラン科です!ラン科の植物は原種だけで約750属、35000種もあるといわれています。地球上に、花をつける植物が約25万種あるといわれ、ランはその中の約1割を占めるそうです。 少し強引にランの話を始めましたが、ラン展が開催されていた兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」に行って来ました。意外にも(…失礼?)日本最大級の規模の植物館のようです。色や形、香りなど多種多様のランを鑑賞することができました。左の写真は植物館のメインであるフラワーショースペースです。
まずはランの花の形について少しお話しますね。ランの花は、3枚の萼片と3枚の花弁から形成されています。1枚の花弁が唇弁(リップ)という唇状に変化した部分があり、花は左右対称です。また、おしべとめしべが合体した1本 の蕊柱(ずいちゅう)となっているのも、ラン独特の形態です。花の細部の形態に注目してランを観賞してみると面白いかもしれません。植物の形態について、詳しくは近畿大学農学部林孝洋教授に聞いてみてください…熱く語ってくださるかと思います(人任せ)。では、実際に撮ってきたランの写真をご覧ください。
写真1は、リカステ・コンセントレーション サンタ・バーバラ。花弁のように見える3枚の萼片が非常に大きく発達していて、三角形に見えるのはリカステ属の特徴です。中央の花弁と唇弁が眉毛とひげのように見えて、私にはおじいちゃんの顔のように見えます。
写真2は、リンコレリオカトレヤ・サニーステイツ・スプリングファンタジー ‘#1’ 。唇弁が大きくて派手な色をしています。唇弁は花粉を媒介する昆虫が着地する場所であり、昆虫に合わせて進化してきたそうです。品種によって特殊な形をしているのも納得できますね。。
写真3はオンジウム・シャーリーベイビー’スイートフレグランス’。ココアやチョコレートのような香りがするということで人気の品種のようです。花が赤褐色なので視覚の影響もありそうですね。実際の香りは・・・確かに甘い香りがしましたが、言われてみればココアかな、という印象でした。
写真4は、パフィオペディラム・スポッター’レオパード’。品種名のとおり花はヒョウ柄です。いかにも大阪のおばちゃん素敵なお姉さまたちが好きそうですね。唇弁が袋状になっていて、昆虫にとっては居心地がよさそうな気がします。
写真5は、シンピジウム・ハフムーン’ワンダーランド’。品種名の意味は「半月の不思議の国」。なんともメルヘンチックなネーミングですね。ランは比較的容易に交配ができるため、たくさんの品種が生まれます。今回の展示では、他にもかわいらしい品種名のランがたくさんありました。ラン農家さんはおちゃめな方が多いのでしょうか。
ここまで様々な種類のランを見てきましたが、ランの花言葉は「美人」優雅な女性」。私もアロマを活用して優雅な女性になりたいものです。
近畿大学大学院農学研究科 北尾麻希子
Copyright(C)EIAJ:Ecole Internationale d'Aromatherapie au Japan. All rights reserved.